あるお店での出来事です。

お店

お店の入り口から男性が入ってきました。
「いらっしゃいませ~」と定員から元気のよい声が。


彼はサングラスをかけています。
目の不自由な方です。
そのお店は入り口にレジがあり
会計はそこで済ませる事になっています。
彼はとても自然で慣れた様子で
「今日はここ空いてるの?」と
彼は自分の指定席と決めているレジ前のカウンター席が空いているかを尋ねているようでした。

レジの女性は「大丈夫よ空いています」と彼をレジ前のカウンターに案内しました。
今日の日替わりは「〇〇です」と伝えると
彼は「じゃーそれにします。ありがとう」と。

やがて料理が出来上がり
レジの女性は
これがご飯で、こちらがスープ、これとこれがおかず
と彼の手を誘導して案内します。

彼は「ありがとう、いただきます」と彼女からお箸を渡してもらい料理を召し上がります。

彼の食事中に他のお客さんたちの会話が盛り上がり
カウンター内のスタッフもカウンターの彼も一緒に会話に入り楽しいひとときが過ぎました。

お会計のときは
彼はレジの女性にお財布を渡します。
彼女は声を出し確認しながら日替わり定食代金をいただいたようです。

彼が去った後
他のお客さんが「あの人明るいね、あんな風に生きられたらいいね」と一言

レジの女性は
彼は人生の途中から視力が落ちて失明してしまったという事実を話されました。
彼が目が見えていたときからこの店の常連さんだったとのこと。

一時は引きこもりになり家から一歩も出なかった時期があったそうです。
でも娘さんに「一度きりの人生だから楽しく生きたらどう!」と言われ思いきって外で出る決心をしたそうです。

今では行く先々でお友達ができて
本当に有意義で楽しい日々を過ごせているとのことです。

私は彼の
何に対してもいつでも「ありがとう」が多いことそれは本当に素晴らしいと思いました。

「ありがとう」が多いとそれに対して誰もが
暖かい気持ちになるんだなと思います。
「ありがとう」の力はすごいですね。
また彼に会いたいと思いました。

実は
これは夫の自営の飲食店での話でした。
その日は私もお店の手伝いに入っていました。

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